2021-08-10公開

モルモットと暮らして心が豊かになった。つらいときでも支えてくれた、愛すべき同居人たちのお話

モルモットと暮らして心が豊かになった。つらいときでも支えてくれた、愛すべき同居人たちのお話

モルモットを飼うことで人生が楽しくなったというライターの中薗昴さんが、モルモットと暮らす魅力を紹介します。飼育には大変なことや注意することもたくさんありますが、コロナ禍で精神的につらいときは、モルモットたちのおかげで気持ちが救われたそうです。


モルモットのいる暮らし

わが家の三代目モルモットである「リース」。とても温厚な性格です

みなさん、こんにちは。ライターの中薗昴といいます。

システムエンジニアとライターを兼業する変わった働き方をしており、普段はIT系の記事を書いていることが多いのですが、今回は少し趣向の違うテーマで寄稿させていただくことになりました。

僕は長年にわたり複数のモルモットを飼っています。

新型コロナウイルスの影響で在宅の時間が長くなり、ペットの飼育を検討している人もいるかと思います。特に、モルモットは最近、人気パペットアニメ「PUI PUI モルカー」の影響でも注目を集めている生きもの。読者の中には、家に迎え入れようと考えている人もいるでしょう。

そこで今回は、モルモットに興味を持った方々に向けて、モルモットと暮らすことの魅力を紹介したいと思います。

僕はモルモットを飼ったことで人生がとても楽しくなりました。生きものなので飼育には大変なこと、注意することもありますが、彼ら・彼女らとともに、慎ましいながらも豊かな暮らしを送っています。

この記事が、あなたがモルモットとの生活を送るきっかけになれば幸いです。

 

こんなにかわいい生きものがこの世にいるなんて……。最初のモルモットとの出会い

まずは、僕とモルモットの初めての出会いについて紹介します。

僕はもともとリスやネズミといった齧歯(げっし)類が好きで、YouTubeでビーバーやカピバラ、チンチラなどの動画をよく視聴していました。もちろんモルモットの動画も見ており、かわいい生きものだと思っていました。

そうしているうち、徐々に「いつか齧歯類の動物を飼ってみたい」と考えるようになったのです。

アパート暮らしの独身男性でも無理なく飼える生きものを調べていたところ、モルモットが有力な選択肢であることがわかってきました。しかし、本当に幸せにしてやれるだろうかという葛藤があり、なかなか踏ん切りがつかずにいました。


モルモットのいる暮らし

くつろぐ初代モルモット。白くてふわふわなので「もちこ(餅のような子)」と命名。人懐こくて、本当によくご飯を食べる子でした

そんなときに出会ったのが、我が家の初代モルモットです。当時の僕は、たまにペットショップへ足を運んで動物たちを眺めるのが趣味でした。そして、近所にあったペットショップで、真っ白でふわふわの毛をしたモルモットを発見しました。

「ぬいぐるみみたいだ!」というのが当時の印象です。こんなにかわいい生きものが世の中にいるのかと感動しました。牧草やモルモットフードをもりもり食べる子で、ペットショップのガラスケース越しに眺めていると、なんだか心が落ち着いたことを覚えています。

その後も、頻繁にペットショップに足を運んでモルモットに会いに行きました。いつもおいしそうにご飯を食べていたので、「どんだけメシが好きなんだこいつは」とよく思っていました(笑)。

ペットショップに通い始めて数週間後、白いモルモットにはまだ買い手がつきません。

「店内は照明がすごく明るいし、BGMがうるさいからリラックスできないだろうな」「(牧草やモルモットフードと比べて野菜は高価なため)ペットショップで野菜を食べさせてもらったことはないだろうな」と思い、だんだん可哀想になってきました。

モルモットを飼う決心がついたのはそのときです。ペットショップにずっといるくらいなら、自分が幸せにしてやろうと思い、我が家に迎え入れました。もう7年近くも前の出来事ですが、モルモットが自宅にやってきたときのことを、まるで昨日のことのように思い出せます。

 

愛情を注いで育てると、だんだん信頼関係が生まれる。充実していくモルモットとの暮らし

自宅に迎え入れて間もない頃、初代モルモットはすごく怯えていました。ケージの中に置かれた隠れ家に、身を潜め続けていました。

これは、初代モルモットが特別臆病な性格だったわけではありません。モルモットは草食動物のため、自然界では肉食動物から捕食される存在であり、外敵に見つかることは命取りなのです。そのため、モルモットは大きな生きものが近くにいると非常に怯え、自分の身を守ろうとします。

モルモットと生活していくうえで大切なのが、信頼関係を築いていくことです。

一緒に暮らす人間は恐ろしい存在ではないと、理解してもらうことが大切になります。毎日おいしいものを与えて、毎日ケージを掃除して、毎日やさしく声をかけてやらなければいけません。

世話を続けていくと、だんだんモルモットの目の色が変わってきます。安心した目で人間を見るようになるのです。


モルモットのいる暮らし

二代目モルモット。茶色いので「チャロ」と命名。我ながらネーミングが安直だ……。ビビリな性格でした

その後、友達をつくってあげたくて2匹目のモルモットを迎え入れました。

モルモットは群れで暮らす生きもののため、複数の仲間で生活させてあげることは、QOL(Quality of Life=生活の質)を向上させる観点からも重要です(ただし、複数で飼育する場合は注意すべきこともあります。詳しくは「飼い始める前に確認しておこう。飼育に必要な心得」の項目で解説しています)。

そこから現在に至るまで、わが家では常に複数のモルモットが暮らし続けています。

性格は、モルモットごとに全く違います。複数のモルモットを飼うと、個性の違いが見えてくるのも楽しいです。人間に撫でられることを好むモルモット・嫌うモルモット。好奇心旺盛なモルモット・のんびりしているモルモット。野菜の好みだって、みんな違います。

一緒に暮らし続けていると、彼ら・彼女らが何を考えているのか、少しずつわかってきます。

愛情を注いで育てれば、モルモットは人間のことを信頼してくれるようになります。そして、信頼関係が生まれるとモルモットの行動にはさまざまな変化が生じるのです。

例えば、寝る姿勢が変化します。怯えているモルモットは、いつでも逃げられるように立ったまま寝ます。

けれど安心して暮らすモルモットは、お腹を地面につけて三日月型になって寝ます。モルモットを飼う人々から通称「モルワッサン」と呼ばれるこの姿勢は、幸せに暮らすモルモットの証です。


モルモットのいる暮らし

モルワッサン

ほかには、レジ袋の音や冷蔵庫を開閉する音に反応して、「PUI PUI モルカー」でもお馴染みの「ぷいーぷいーー!」という声で鳴くようになります。これも、モルモットたちとの信頼関係を築けた証。音を聞いて「野菜をもらえるかもしれない」と思っているのです。

余談ですが、僕は深夜の時間帯にモルモットたちへ野菜を与えます(ちなみに、飼育されているモルモットは、比較的人間の生活リズムに合わせて行動してくれます。僕は深夜にモルモットの世話をしていることが多いからか、その時間帯に行動が活発になるため、野菜をあげるのも夜間にしています)

夜にならないと野菜は出てこないと知っているのか、ほかの時間帯にレジ袋の音がしてもモルモットたちはあまり鳴きません。ちゃんと学習しているのですね。賢いなあ。


コロナ禍でつらいときにも助けてくれた。モルモットたちは、人生を支えてくれる穏やかな同居人

ここからは、モルモットを飼育したことで僕自身にどのような影響があったかを解説していきます。

冒頭でもお伝えしたように、僕はエンジニアとライターの仕事を両方やっていて、普段とても忙しくしています。それに、友だちが少ないタイプなので、日常的に連絡をとったり交流したりする相手も非常に限られています。

そのため、2020年に新型コロナウイルスの影響でなかなか外出できないようになってからは、自宅でひたすら仕事をしてほぼ誰とも会話しないような毎日が続きました。正直、メンタルがしんどかったです。そんなとき、僕を助けてくれたのがモルモットたちでした。


モルモットのいる暮らし

四代目モルモット。名前は「チャーリー」で、「茶色→ブラウン→チャーリー・ブラウン」という由来。人間に撫でられるのが苦手です

のんびり生活している彼ら・彼女らのことを眺めていると「おっ、あいつら今日も生きてんな。しんどいけど僕も頑張って生きるか。僕がへばったら、あいつらが快適に暮らせなくなっちゃうからな」となんだか元気が出ました。

自分はモルモットを養っていると思っていたけれど、逆でした。モルモットたちが僕の生活を支えてくれたのです。

モルモットたちがいなければ、もっと苦しい気持ちで毎日を過ごしていたでしょう。もしかしたら、心身の不調を引き起こしていたかもしれません。あらためてモルモットたちに感謝の気持ちを伝えたいです。

みんな、本当にありがとう。みんながいてくれて助かったよ(書きながら涙がボロボロ出てきてしまった)。


モルモットのいる暮らし

五代目モルモット。ゴマ塩のような色なので名前は「ゴマ」。わがままで図々しい性格をしています。たぶん僕のことを手下か何かだと思っている

仮に誰かから「モルモットはどんな生きものですか?」と問われたら、僕は「穏やかな同居人」と答えます。

モルモットは犬や猫のように、わかりやすく懐いたり、スキンシップを取ってくれたりする生きものではありません。決して干渉し合わないけれど、お互いに確かな信頼関係を築いて、ともに暮らしてくれる仲間なのです。

僕はそんなモルモットとの生活を、とても豊かで幸せなものだと感じています。

 

モルモットの飼育に興味が出てきた人へ。必要なアイテムと、必要な心得

ここからは、モルモットに興味を持っている方々に向けて、モルモットを飼ううえで何が必要か、どれくらいの金額がかかるかなどを解説します。

モルモットを飼う予定のない方や、すでにモルモットを飼っている方にとってはあまり有益な情報がないため、この章を読み飛ばしてもらっても構いません。

モルモットの家からご飯まで。飼育に必要なアイテム

飼育のはじめに用意するもの


モルモットを飼育するときに必要なアイテム

【1】ケージ
あまりに狭いとモルモットのストレスになってしまうので、QOLを向上させるためにも十分な広さを確保。床がスノコ状になっているウサギ用のケージだと、足が細いモルモットは穴にはまって骨折してしまうため、避けること。

【2】隠れ家になるもの
草食動物であるモルモットは、外敵に襲われることを本能的に恐れており、隠れられる場所がなければ大きなストレスに。隠れ家の中で用を足すことも多く、接地部分(底)に板があると隠れ家もモルモットも汚れてしまうことに。底に板がないものがおすすめ。

【3】ウォーターボトル
衛生上の観点から、水はなるべく毎日取り替えましょう。

【4】エサ皿
人間用の食器を使うとすぐひっくり返してしまうため、一定の重量がある陶器製のペット用のエサ皿を使いましょう。

【5】牧草入れ

 

継続して購入するもの


モルモットを飼育するときに必要なアイテム

【1】床材
さまざまな床材を試したが、ウッドチップや新聞紙といった床材はあまり吸収力がないため、不衛生になりやすい。金銭的な余裕があれば、犬猫用のペットシーツの上に床材用の牧草を敷くと、さらにモルモットが暮らしやすい空間になる。たまにペットシーツを食べてしまうモルモットもいるため、その場合は他の床材に変更を。

【2】牧草
牧草は常に食べ放題の状態にしておくこと。基本的に、元気なモルモットには歯応えのある一番刈り・二番刈りの牧草でOK。歳をとったモルモット、元気がないモルモットには、柔らかい三番刈りを。

【3】モルモット用フード
市販のフードの中にはモルモットの健康にあまり良くない成分が入っている商品があるため、注意が必要。

【4】生野菜
モルモットに幸せに暮らしてもらうためにも、生野菜は定期的に与えましょう。与え続けていると、人間を「おいしいものをくれる生きものだ」と認識してくれるため、慣れてくれるのが早くなるという効果も。

【5】エアコンによる温度管理
モルモットは暑さにも寒さにも弱いため、夏・冬は基本的に24時間エアコンをつけっぱなしにする。

【6】手術代やお薬代
ペットショップでモルモットを購入するよりも圧倒的に治療費の方が高くなるため、金銭的に余裕のない方はモルモットを飼わない方がよい。生きものを幸せにしてやるには、どうしても一定以上のお金が必要になる。

 

飼い始める前に確認しておこう。飼育に必要な心得

飼育しはじめのときに注意することは?

家に迎え入れたばかりの時期は、とにかく怯えています。

外部から見えない状態になるとモルモットは落ち着くため、慣れていない頃はケージの外側に布を被せてやるなど、安心できる環境づくりを心がけましょう。

また、年齢の若いモルモットは深夜になると活発にケージ内を走り回るため、わりとうるさいです。人間がその音で眠れず寝不足になるケースがあるため、その場合はケージを置く場所を寝室とは別にするなどの対処をしましょう。

家を留守にしても大丈夫?

「現在は在宅勤務をしているけれど、今後は出社する頻度が増える」とか「たまに旅行をしたい」という方は、モルモットを置いて家を留守にして大丈夫かどうか気になるかもしれません。

モルモットはケージの中でおとなしく生活している生きもののため、留守にしても全く問題はありません。

ただし、エサやりや床材交換などの世話を毎日することが原則です。旅行などで家をあけるのは、最大でも2日間が限界のように思います。

2日間留守にする場合は、水をたっぷり入れ、牧草やフードを山盛りにして出かけましょう。

複数飼育するときのポイントは?

去勢していない状態で性別の異なるモルモットを同一のケージで生活させることは、意図せぬ繁殖を引き起こす恐れがあるため避けてください。

また、同性のモルモットであっても同一のケージに入れると喧嘩をするケースもあるため、細心の注意が必要です。

僕の場合は「同一の室内でモルモットたちを生活させるけれど、ケージは別々」という形をとっています。

これからモルモットを迎え入れようとしている人に、検討してほしいこと

モルモットと暮らすことや飼育するうえで必要なことをお話ししてきましたが、ここからは話題を変えて、悲しい話をさせてください。

幸せに暮らすモルモットがいる一方で、苦しい思いをしているモルモットたちも世の中にはいます。モルモットの遺棄や多頭飼育崩壊など、悲惨な出来事が世界各地で起きているのです。

多頭飼育崩壊とは、複数のペットを無秩序に飼った結果、異常な数の繁殖が起きて飼育が困難となった状態のこと。多頭飼育崩壊の現場にいるモルモットたちは、十分な食事が与えられていなかったり、不衛生極まりない環境に置かれていたりするケースがほとんどです。

遺棄されたモルモットや多頭飼育崩壊の状況下のモルモットは、ひどい飢えや皮膚病に苦しんだり、捕食者たちに食べられたりして、つらい思いをしながら死んでいくことが多いです。

僕はある時期にこの悲惨な事実を知り、少しでも不幸なモルモットたちを救いたいと思うようになりました。ペットショップで購入するのではなく、保護ボランティアをしている方から譲り受けたり、捨てられていたのを引き取ったりして、我が家に迎え入れるようになりました。

「PUI PUI モルカー」が流行したとき、すごく素敵な作品で大好きだった反面、「安易にモルモットを飼い始めて、飽きて捨てる人が増えたらどうしよう」と、不安な気持ちになったことを覚えています。

人間に飼われるペットたちは、自分の暮らす場所を自分で選べません。どうか、人間のエゴで彼ら・彼女らの大切な命を奪わないでほしいです。

モルモットを飼おうかどうか悩んでいる方は、保護されたモルモットを引き取るという選択肢をぜひ考えてください。あなたの行動で救われる命があります。

 

幸せなモルモットが1匹でも増えるように

生きものを飼うのは楽しいことばかりではなく、ときに大変なこと・苦しいこともあります。モルモットが病気になったり、亡くなったりすると、本当につらい気持ちになるものです。

でも、僕はモルモットと生活できてよかった。彼ら・彼女らと一緒に暮らせて、人生が豊かになりました。

モルモットに興味を持ち、迎え入れることを検討している人は、ぜひモルモットと一緒に楽しい人生を送ってほしいです。過ごしやすい家とおいしいご飯を提供してあげてください。

幸せなモルモットが世界に1匹でも増えることを、僕は願っています。

この記事を書いた人中薗昴

週の半分はシステムエンジニア、もう半分はライター・編集者として働くパラレルキャリアの人。普段はIT系のメディアで記事を書いていることが多い。モルモットをこよなく愛している。

Twitter:@zono1009

編集:はてな編集部

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