2021-09-14公開

おにぎり、オイルパスタ、サラダ……カツオで「ツナ」を作ったらマンネリ自炊が激ウマに

おにぎり、オイルパスタ、サラダ……カツオで「ツナ」を作ったらマンネリ自炊が激ウマに

日々の食事にマンネリを感じているライターの米田梅子さんが、魚料理が得意なマダラさんに「ツナ」の作り方を聞いてみます。実際に作ってみたところ、ツナ作りは想像以上に簡単でおいしく、自炊のレベルが底上げされたそうです。

カツオで作った手作りのツナ
こんにちは。ライターの米田梅子です。都内でひとり暮らしをしています。自炊はほとんどせず、コンビニやスーパーのお惣菜、外食に頼った生活をしていますが、正直マンネリです……。

生命維持を目的としたマンネリ自炊
打開策として自炊の頻度を上げてはみたものの、急に凝った料理ができるわけもなく。慣れた物を作っているので気分転換になるわけもなく。結局ほとんど生命維持を目的とした食生活になってしまいました。こちらにもすでに飽き始めています。

もっと作って楽しく、食べておいしいものはないのか!

そんなときにふと目に留(と)まったのが、自炊で重宝している「ツナ缶」です。

自炊で重宝しているツナ缶
考えてみると、ツナのことを知っているようで知りません。野菜や肉といった食材と同じように、ツナは買うものとばかり思っていたけれど、自宅で作ることはできないだろうか。

……そんなことを考えていたところ、知りあいの「マダラさん」に、ツナ作りをレクチャーしてもらえることになりました。

ツナ作りを教えてくれたマダラさん
趣味は釣り。年間15回くらい釣りに行く。また釣った魚を調理することも好きでさまざまな料理をしている。ライフワークは釣った魚のアラをサッポロ一番のダシにすること。

マダラさんが集めている調理器具の紹介記事はこちら
マダラさんが魚のダシでサッポロ一番を作る記事はこちら

Twitter:マダラさん

マダラさんはよく釣りに出かけては、こだわりの料理を作って楽しんでいます。特にマグロやカツオが釣れすぎたときは、ツナにして保存をしているそうです。これまでに10回くらいツナを作っているそう。

マダラさんの説明をもとにツナを手作りをしたら、調理自体を楽しめたうえに、たくさんの量を作ることに成功! さらに、自作したツナをおにぎりやパスタなどさまざまな料理に使ってみたところ、自炊の満足感の底上げにもつながりました。この記事では、その一部始終をレポートします。

カツオでツナを作るとおいしくて安い


取材はリモートで実施しました。画像はインタビューの様子(右が筆者)取材はリモートで実施しました。画像はインタビューの様子(右が筆者)

米田
マダラさんはよくツナを作っているそうですが、ツナって普段料理をあまりしない人でも作れるんでしょうか?

マダラさん
スーパーでサク(刺身にする前の切り身)を買ってくれば、ツナ作りはむずかしくないですよ!

米田
ふむふむ……。

マダラさん
ツナ缶といえばマグロが定番かもしれませんが、今回はカツオで作ってみるのはどうでしょう。

米田
カツオ。なぜですか。

マダラさん
8月中旬から10月は脂がのった「戻りカツオ」が出回っています。それにマグロで作るよりもずっと安くできますからね。初めてならハードルが低いのではないかと思います。

米田
なるほど……。旬だし、安い、と。やってみます。

カツオでツナ作りにトライ

自作ツナへの不安と好奇心に高まる血圧を感じつつ、レッツクッキング。マダラさんに聞いた「カツオのツナ」作りに必要なものは以下の通りです。

材料
  • ・カツオ刺身用(皮がついていない、タタキでない)……1サク
  • ・塩……適量(カツオのサクを覆う程度)
  • ・サラダ油……500グラム
  • ・ニンニク……3粒
  • ・黒コショウホール……10粒程度
※お好みのハーブ(ローリエ、ローズマリー、タイム、唐辛子など)を加えてもよい
調理器具
  • ・小型の鍋
  • ・料理用の温度計
  • ・密閉できる保存容器

大まかな工程
  1. 香りの付いた油を作る
  2. カツオに塩をまぶす
  3. カツオを低温の油で熱する
  4. 粗熱をとって密閉容器へ

てっきりいろいろな調味料を使うものかと思っていましたが、用意する材料はかなりシンプルです。日頃作る簡素な料理でも複数の調味料を組み合わせるので、塩だけの味付けに衝撃を受けました。このくらいで大丈夫なのか……。工程もあまり複雑ではないように見えます。本当に知らないことばかりです。

1.香りの付いた油を作る

カツオが入る程度の鍋に500gの油を注ぎ、皮をむいて潰したニンニクとホールの黒コショウを入れる

\工程/
カツオが入る程度の鍋に500gの油を注ぎ、皮をむいて潰したニンニクとホール(挽いていない状態の粒)の黒コショウを入れる。もしハーブを使う場合は、このタイミングで一緒に入れる。弱火にかけて、ニンニクがうっすら茶色になったら火を止める。

\マダラさんのワンポイント/
油の種類はサラダ油やオリーブオイルやごま油など、植物性のものであればなんでもOK。のちにカツオ全体を油に浸す必要があるため、鍋のサイズは小さめを選びましょう。

今回は香りのない一般的なサラダ油をチョイス。ハーブも入れません。その方がさまざまな料理に使いやすいそうです。鍋は直径15cm程度のものを使用しました。

ぼーっと眺めていると、鍋の底に沈んでいたニンニクが静かに浮き上がってきました

ぼーっと眺めていると、鍋の底に沈んでいたニンニクが静かに浮き上がってきました。いつの間にか香ばしい、いい匂いも漂っています。

2.カツオに塩をまぶす

刺身として食べたくなる戻りカツオ
油の準備ができたら、カツオの下準備へ。購入したカツオのパックには「戻りがつお」の文字がありました。刺身としてそのまま食べてしまいたい欲望に揺らぐも、我慢です。

\マダラさんのワンポイント/
カツオを購入する際は、鮮やかな赤色のものを選んでください。黒っぽい見た目のものはNGです。

塩まみれになったカツオ

\工程/
サクを手で持てるくらいの大きさに切り分けて、塩をまぶしてこのまま常温で放置。15分経過後、塩を洗い流し、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。

\マダラさんのワンポイント/
塩の種類はなんでもOK。まぶした塩は後で洗い流すので塩の量を計らなくても大丈夫です。逆に塩を洗い流さないで作る場合はきっちり計る必要があります。

カツオが塩まみれに。少ないよりは多い方がいいだろう。そう考えて塩を大量にまぶしたのですが、見ての通りカツオにまぶしきれなかった分が散らばっています。もっと少なめでよかったな……。

3.カツオを低温の油で熱する

”ニンニクやオイルが入った鍋にカツオを入れ、中火にかける

\工程/
最初に用意した、ニンニクやオイルが入った鍋にカツオを入れ、中火にかける。

カツオが油に浸かりきらずに、一部が飛び出してしまいました(画像の青い矢印)。完全にオイルに浸っていないとダメとのことで、浸るまでサラダ油を足します。こんなに大量の油を一度に使うのは10年ぶりくらい。しかも初めての低温調理でなんだかドキドキ……。油を足す前に、思わず火災報知器を目視しました。

オイルがフツフツして、温度が70度程度まで上がったら、弱火にするか、火を止めて、70度程度を30分間キープする

\工程/
オイルがフツフツして、温度が70度程度まで上がったら、弱火にするか、火を止めて、70度程度を30分間キープする。
\マダラさんのワンポイント/
油での調理ですが、低温なので揚げもののようにはなりません。ただ強火にするとパサパサになってしまうので注意が必要です。温度計で都度チェックしましょう。

調理用の温度計はツナ作りのために用意しました。70度から74度の間あたりを意識しながら見守ります。

油の温度は一度上がると、火を止めてもなかなか下がらないようです。その間に液晶に表示された数値が下がりすぎないように確認しつつ、洗いものをしたり、キッチン周りのちょっとした掃除をしたりして時間経過を待ちます。

ここで気づきました。ツナ作りは待つタイミングが多いうえ、きっかり待機時間が決まっている。そのためにほかの作業を同時進行しながら比較的穏やかに過ごすことができます。

変化していくカツオ

少し目を離しているうちにすっかり生っぽさが消えていたカツオ。まるで親戚の子の成長を見ているよう。

狭いキッチンでもツナは気分良く作れる

一人暮らし向けの狭いキッチンでの、大量の油を使う料理は少し抵抗があったけれど、低温調理のせいか油ハネも起きません。壁や床が汚れる不安もなくとてもいいです。

4.粗熱をとって密閉容器へ

粗熱をとって密閉容器へ

\工程/
火を止めて、粗熱がとれるまで待つ。保存瓶やタッパーなどの密閉容器に移す。
\マダラさんのワンポイント/
密閉容器は煮沸できるものだと便利。また蓋がしっかりはめられるといいですね。冷蔵庫で保管すれば1~2週間くらいは保つと思います。ただし、ツナが水分や空気に触れると痛んでしまうので注意。タッパーの中で、ツナ全体がオイルに浸かりきっている状態を維持することが長持ちさせるためのポイントですね。

ツナ作り自体はこれで終了。いい匂いがするけれど、見た目は普通の煮魚のようです。マダラさんに詳しいお話を聞いていたとはいえ、未知である分、手間がかかるものだと思っていました。そのため想像とのギャップがすごいです。簡単すぎる。

見慣れた缶詰ツナとは見た目が異なるため、まだ「ツナを作った感」はありません。確かめてみなければ。さっそく作りたてを食べてみます!

手作りならではの「できたてのツナ」

手作りツナを箸で割る

できたばかりのツナを箸で割ってみると、見覚えのあるビジュアルが出てきました。本当にツナだ!

噛み締めると、じゅわっと「カツオの香りと風味」が滲み出てきます。顔の前と口の中全体でいい匂いがします。明らかに普段食べているツナと違う。

ブロック状のツナは、身がミッチリとしていて食べごたえもあります。このまま料理の一品としてカウントしてもまったく問題なさそう……。

手作りツナと白米を一緒に食べる

やや塩気が強い感じもするのですが(カツオに塩をかけすぎました)、白米と一緒に食べると、それもちょうどいい。1日~2日経つと塩気とオイルがなじんでよりおいしくなるそうなので、時間の経過を楽しみにします。

\マダラさんのワンポイント/
できたての温かい状態を食べられるのは手作りならでは。まずはそのまま食べるのがオススメです。手作りのツナは、塩のみの味付けなので、味は缶詰よりあっさりしています。マヨネーズやレモン、パセリとあわせてもいいですね。ビールにもよくあいます。

「ツナマヨのおにぎり」で脳がパニックになった

ここからは手作りのツナを作っていろいろな料理を作っていきます。まずは定番のツナマヨのおにぎりから。

手作りツナで作ったツナマヨ

ツナマヨを作りました。マヨネーズと混ぜあわせる際に多少ツナをほぐしたものの、ゴロッとした食感は健在。このままおつまみにしてもよさそうです。これを具にしておにぎりを作ります。

手作りツナのおにぎり

100円のおにぎりをイメージしながら食べたら、現実とのギャップにいい意味で脳がパニックになりました。うますぎる。コンビニにこれが売っていたら500円でも買うと思います。

そのうまさは記事用のキレイな写真を撮るのを忘れてしまったほど。多めに入れたマヨネーズに負けない「魚感」が印象的。酸味が加わることでさらに味の情報量が増え、贅沢な味になっています。

\マダラさんのワンポイント/
ツナを作るときに、ハーブを入れるとかなり「洋風」の雰囲気が出てきます。おにぎりにするときはハーブは入れないで作る方があいそうですね。

「ツナときのこのオイルパスタ」で油もムダにせず

手作りツナのオイルパスタ

ツナを作ったときの油(以下、ツナオイル)で、ニンニクを炒め、香りが出てきたらシメジとマイタケとツナを入れて炒めました。味付けはめんつゆ。自己流のパスタです。

ツナオイルを使うことで、油を再利用することができるし、味にも統一感が生まれる(気がする)。麺全体にしっかりツナの味が移っています。

ゴロッと一口サイズのツナは、ささみのような食べごたえがあります。このツナのサイズ感は特筆すべきものがあります。そして旨味がぎゅっと濃縮されていてうまい。ツナのかたまりをなるべく崩し過ぎないように調理するのがコツだと思いました。

シンプルなのに最後の一口まで食べ飽きないクオリティ。「自分、こんな料理上手だったっけ?」と自画自賛してしまいました。簡単なのにおいしすぎる。手作りツナ、恐ろしや……。

「ツナサラダ」で怪奇現象を体験

手作りツナをサラダにする

ツナマヨ、ゆでたまご、ミニトマト、レタス、ベビーリーフなどをお皿に盛り付けます。

「ツナマヨおにぎり」を作る際にあまったツナを使用しました。ここでもマヨネーズに負けないカツオの存在感がきいています。ドレッシングを追加する必要もなく、モリモリ野菜が食べられました。

手作りツナを使ったうますぎて手が止まらないサラダ

怪奇! うますぎて手が止まらないサラダ! いってしまえばただ野菜を切って盛っただけなのに……。

「ツナの炊き込みごはん」は要リベンジ

手作りツナの炊き込みごはん

といだお米に、塩こんぶとツナと醤油を入れ、電子ジャーで炊飯します。ごはんが炊けたら、よく混ぜあわせます。

これは缶詰のツナでよく作っていた料理。個人的にツナといえば炊き込みごはん、という気持ちがあります。

ツナと塩こんぶを使ったシンプルな炊き込みごはんは、炊飯器に入れて炊くだけなのに、その日の食事が少しリッチに。香ばしい香りが食欲をそそります。

ただ、おいしかったけれど、缶詰のツナを使ったときと変わらない印象でした。期待していたほど手作りツナを使った特別感は得られず、ちょっともったいない気分に……。

手作りツナをほぐしすぎた

作るときにツナを軽くほぐしたせいか、炊いたあとはさらに細かくなり、市販のツナを使うときとほぼ変わらない食感になりました。

ツナをかたまりのまま入れた方がより楽しめたかもしれない、ツナ油も加えたら風味が変わったかもしれない。そんな反省が過ぎります。要リベンジだ。

「ツナチャーハン」はこれまで作ったチャーハンの中で一番うまい

手作りツナのチャーハン

ツナ油で炒めたチャーハンです。香り付けにニンニク。具材は卵、ネギ、ツナ。味付けは鶏ガラスープと醤油。

ツナ油を使用するため、ごはんからもツナの香りが漂います。作り方はいつも通りなのに、なぜか専門店で出てくるようなクオリティ。間違いなくこれまで作ったチャーハンの中で一番うまい。

後日ツナ無しで普段のチャーハンを作ってみたものの、やはり同等のおいしさにはならず。比較してみて、改めて手作りツナの重要性に気がつきました。

得意料理はツナのチャーハンといいたい

今後チャーハンを作るときはツナから自作しよう。そして人には得意料理はツナチャーハンだと宣言するぞ!

マンネリ料理が嘘みたい

手作りツナでマンネリ食生活の救世主

買うしかないものだと思い込んでいたツナ。作ってみると、調理はとても簡単で、好みの風味付けもできます。さらに一度にたくさん作れるから、トータルで見ると意外と安く済みました。保存もきくので、自炊頻度が低くてもプレッシャーになりません。

それに、スーパーで買えるサクのカツオで作ったものが、これだけさまざまな料理に使えるうえに、いつもの料理がグッとグレードアップするのは衝撃。おいしい料理を簡単に作るのは不可能だという考えもひっくり返されました。

「次はどう食べようか、どんな料理にあうだろうか」とわくわくできて楽しかったです。それに、油やハーブを変えてアレンジができるのもいいところ。いろいろ作ってツナの食べ比べも楽しそうです。手作りツナは、マンネリ食生活の救世主だ!

戻りカツオがスーパーに並んでるうちに、また作ろっと。

この記事を書いた人米田梅子

Webライター時々イラストレーター。本業はデザイナー会社員。地元 愛知がとても好き。

Twitter:@umeruko

編集:はてな編集部

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